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Euglena ~the diminutive giant to save our future~

SDGsとこれから 

 2015年に国連がSDGsを発表したが、木村さんによると、これによってユーグレナの指針で変わったことは何もないという。SDGsは、ユーグレナが目標や達成事項を人々に分かりやすく伝えるための強力な枠組みになったにすぎない。いわば、コミュニケーションツールと言えよう。さらに、SDGsは木村さんたちが社会全体を考える中で発想の幅を広げるのにも役立ったと話す。

 木村さんは今後の社会について次のように語っている。「もはや持続可能性を意識しない企業は生き残ることはできない。これからは、投資家だけでなく、消費者、会社、労働者も持続可能性を意識し、将来世代への負荷を考える時代。」例えば、活動拠点の一つであるバングラデシュで児童労働させていたら、だれもユーグレナ社には投資しないだろう。また、自分ひとりの小さな行動からでも積みあがれば大きなものになる。「自分もペットボトルをマイボトルに変えた。長期的な視点で自分たちの生活を見直し、将来世代に恥ずかしくない人間になりたい。地球環境や人々に配慮した人が増えてほしいし、そういった人たちを応援できる会社でありたい。」と話した。

 社名ともなっているユーグレナの可能性やバイオ燃料、将来世代に対する姿勢についてお話を伺った今回の取材はとても感慨深く、私たちの行動や環境について改めて考えさせられるきっかけとなった。

第2期CFOの募集開始

 ユーグレナ社は8月7日、今年度も18歳以下のCFOおよびフューチャーサミットメンバーを募集すると発表した。初の試みとなった昨年度は、自社の経営状態が「人と地球を健康にする」という経営理念に沿っているかを調査することから始まり、2020年6月には、2021年末までに同社のペットボトル商品廃止等の施策を通して石油由来プラスチック使用量の50%を削減するという目標を発表するまでに至った。目標達成への活動は同年9月から開始される。

 第1期CFOの小澤杏子氏は、地球温暖化の進行により地球環境がすでに危険な状態にあることを認識していながら、多くの人が環境に配慮した生活に移行できていないことに対して問題提起を行った。さらにユーグレナ社での活動を通して、「環境問題をわが身のことと捉え行動を変えていくのが難しいのであれば、『消費者が意識せずとも環境に配慮した行動をとれる仕組み』を企業が構築するべき」との考えに至ったという。そこで同社とCFO及びサミットメンバーは、石油由来プラスチックの削減を最初の目標に掲げた。同社の販売商品の容器・包装の約60%は石油由来プラスチックで構成されているため、プラスチックの削減はユーグレナ社にとって身近であるとともに、環境問題に直結する取り組みであるからだ。

 また、小澤氏は次のようにも語っている。「ユーグレナ社だけが環境に配慮した行動を起こしたとしても、世界は変わりません。環境に配慮した行動が他企業にも波及し、それが当たり前となる世界を実現していきたい。」

 今回のCFO募集は、昨年度の活動を受け「将来世代による経営改革の実績を、持続的にアップデート」することの示しとも言えそうだ。今年の募集はCFO1名、サミットメンバーは最大4名と発表されている。募集テーマは「あなたにとっての『サステナビリティ』とは何ですか?またユーグレナ社がよりサステナブルであるために必要なことを教えてください。」だ。2020年8月7日から同年8月31日まで募集している。

 詳細、エントリーについては以下のユーグレナ社ホームページまで。

執筆:粕谷健翔 佐藤綾香 信太優里奈

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