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The entrance to the 2D world

MAZARIA 2次元への入口 

画像 MAZARIA のキービジュアル 

池袋サンシャインシティ3F にはエントランス両側に広がる巨大なディスプレーいっぱいに映像が流れ、来る人に期待感を抱かせてくれる、そんな場所がある。中へ入ると、アニメやゲームの世界に入れるような内装と近未来的な様々な VR アクティビティが設置されている。

VR ゴーグルをつけると 360 度一面がそのアクティビティの世界となり、画面に映る自分の手、手に伝わる振動、風、ヘッドホンからの音によってあたかもその世界にいるような錯覚をする。 

この施設は「アニメとゲームの世界に入る」というコンセプトのもとに運営されている VRアクティビティの施設、MAZARIA である。設置されている VR アクティビティは全17種類であり、マリオカートアーケードグランプリ、ドラゴンクエスト、エヴァンゲリヲン、パックマン、太鼓の達人などの実際のゲーム、アニメの世界を体験することができることに加え、空を自転車で飛ぶ、高層ビルから突き出た木の板の上を歩いて猫を助けるなどのアクティビティもあり、非日常を楽しめる仕様となっている。

激しい動きのあるアクティビティとのんびりとしたアクティビティが織り交ぜられており、幅広い年代でそれぞれの年代に合わせた楽しみ方ができる。またアクティビティはマイクで体験者同士の音声がつながっている。そのため家族や友人同士で体験中も会話が可能であり、異世界体験の中で、リアル世界とのつながりを体験することができる。

価格は入場券 4500 円(大人)と学生には高価ではあるが、この券で営業時間中ほぼすべてのアクティビティが遊び放題であり、再入場も可能である。また 17 時以降入場者用のナイトパスポートもある。こちらの価格は 3500 円となっている。 

画像 太鼓の達人のプレイ画像イメージ 

©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. 

©BANDAI NAMCO Amusement Inc. 

MAZARIA はバンダイナムコアミューズメントのVR 事業の一環として作られた施設である。2019 年 3 月で期間限定営業を終了した同様の施設VR ZONE SHINJUKU は、VR空間の特殊性を強調するため、あえて無機質にしつらえられた内装から、MAZARIA では「アニメとゲームに入る場所」というコンセプト変更により、施設は冒頭のような内装となった。

バンダイナムコアミューズメントの近藤千裕氏は MAZARIA を池袋という地区にオープンしたのは、池袋がある豊島区全体でサブカルチャーや芸術の活性化を目指す活動をしており、同施設のコンセプトである「アニメとゲームに入る場所」との親和性が高いためと語る。同氏は「MAZARIA はアニメ、ゲームの世界の 2 次元と我々の世界である3次元の中間の 2.5 次元空間という設定である」と語っている。

一部のアクティビティでは「アニメやゲームの世界からやってきたスタッフいう設定に基づき、スタッフの制服や言葉遣い、ふるまいがその世界観を踏襲した設定」になっている。これは話し方や接客をアレンジすることで、来場者がアクティビティを体験する前からその世界観に没入してもらいたいという意図がある。

そのためゲームセンターというよりむしろテーマパークの趣が強いのがこの施設の特徴である。想定滞在時間は特に決めておらず、中央の階段でつながっている同社が運営するナンジャタウンと行き来しながら一日かけてゆっくり遊んでほしいとの思いが込められている。

設置されているアクティビティについては、もともとアーケードにあったゲームの中でVR にしたら面白い、また現実ではほぼ体験できないものという観点から選定されており、実際にどれも魅力的である。

しかしこれらのVRアクティビティ自体は非常に刺激的で楽しい体験であるが、まだまだ一般に普及していない、新しい遊びかたなので、安全面には最大限考慮している。VR 体験中は目前の仮想世界に夢中になり予期せぬ事故が起こる可能性が十分ある。そのためアクティビティによっては体験者同士の距離が近くなったら余裕をもってアラートをだすようにしている。アラートを出す距離について業界の基準は存在せず、研究と検証を通して出す距離を決定している。 

近藤氏によると、4500 円という価格に設定したのは、先ほどのコンセプトに基づく非現実な体験が価値を維持するため、であるとのことである。今後は、例えば水族館などに行った人への割引や、一定額以上の購入での割引など、サンシャインシティ内の他の店舗とも連携を強化していくとのことである。

MAZARIA の今後について、近藤氏は安全面に配慮することはもちろん、現在パンフレットは日・英・簡・韓国の 4 か国語であり、近年に急増する香港や台湾からの観光客の人々に対応すべく、繁体字のパンフレットや表示を増やす必要があると話す。 

ぜひこの MAZARIA を池袋での訪問先としておすすめしたい。 

執筆 風巻勇介


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