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The impact of COVID-19 on job hunting

新型コロナウイルス―就活への影響

 新型コロナウイルスが私たちの生活を大きく変えてしまったことは言うまでもない。ある人は生活を失い、ある人は職や勉強する機会を失った。数えだすときりがないが、今回は大学に目を向けてみよう。私たち学生は学校に行けず、授業もサークル活動もすべてオンライン。語学の授業はコミュニケーションが取りづらい、サークル活動はオンラインでは何もできないと不満を募らせる学生も多いだろう。しかし、このウイルスの影響を最も受けたのは就職活動をしている学生なのではないだろうか。彼らは多くの予期せぬ困難に直面している。私たちは今回、2人の就活生に今の状況や思いについて話を聞くことができた。

 一人目は、コンサルティングやITなど様々な業界に志望しているYさん。彼によれば、今年の就活で最も難しいのは出願と面接だという。彼はオフラインでの就活セミナーをキャンセルする決断をした。彼にとって、とても勇気のいることだったそうだ。なぜなら、それは人生を左右する就職先の情報パイプを切断することを意味したからである。特に留学生の場合は深刻な問題だ。彼らにとってオフラインでのセミナーはその企業を知る唯一の機会といっても過言ではなく、オンライン説明会という代替手段では言葉の壁や日本の職場へのなじみのなさが原因となって情報をうまく集められない。

何とか困難を乗り越え面接の段階に入ったとしてもまた次の問題が生じる。たとえば、面接ではグループディスカッションを課す企業もあるが、オンラインでは非常に能率性が低いのである。「対面」の雰囲気が感じられないだけでなく、時間内に企業からフィードバックをもらえないことも多いのが現状だという。そのうえ、インターネット回線の不調など予期せぬハプニングが起こることもしばしば。そういった「想定外」は実際に就活生の心持ちや振る舞いにも大きく影響するものなのである。

就活生だけでなく、企業もまた対応に四苦八苦している。Yさんが志望するコンサルティング業界は新型コロナウイルスの影響をあまり受けていないようだが、他の業界では2021年の求人はもう出せないと発表しているところもある。不確実なことが多く、就活生は毎日将来への不安に悩まされている。たとえば、決定が頻繁に変わる企業。「一時私たちに就職活動を辞めろと言ったかと思えば、翌月には手のひらを返すように採用を開始するなどと言い出す。就活生だけでなく企業も常に不確実なことに頭を抱えているから、仕方のないことなのかもしれない。」こうYさんは語る。「日本企業であれ外国の企業であれ、大企業なら問題ないのだと思う。新型コロナウイルスから受けた影響はたかが知れているのだから。」

 Yさんは、政府にせよ企業にせよ公共部門にせよ、この未曾有の状況下での就職活動で困難を強いられている学生に対して、もっと助けの手を差しのべてくれてもいいのではないか、と訴える。「オンラインでの面接は、インターネットへのアクセスが十分でない人にとってはかなり厳しいものだ。」就活生の中には、オンライン面接に有効なノートパソコンを持っていない、あるいはWi-Fi環境が家庭に整備されていない人もいるはずだ。このように、今年の就職活動は就活生の過失とは言えない問題が多くあり、彼らにもっと公平性を確保するためにも、政府や企業にはそういった問題に対する積極的な対応が強く望まれる。

 2人目は、新型コロナウイルスの影響で内定を取り消されてしまったというWさん。彼が内定を受けていたのはホテル業界で、経済的打撃を大きく受けたと推察される。その影響で、Wさんは内定を受けてからたった3か月で内定を取り消された。「仕事が始まる15日前に通告を受けた。ホテル業界は新型コロナウイルス状況下でひどく影響を受けている。なにしろ旅行客が全くいない。そのうえ、私たちへの補償もない。」Wさんは、内定が取り消されたことについて神経質になったり自暴自棄になったりした部分もあるというが、今はとにかく求人募集を探すより他ないのだそうだ。「私の家族はいつも私を励ましてくれた。たとえいつこの新型コロナウイルスの感染拡大が収まるか分からなくても、いつ旅行業界が回復するか分からなくても。このことが内定を取り消された今でも自信につながっている。」

 Wさんは政府や企業、学校の対応策には満足しているという。「政府はすでに最善を尽くしてくれている。やるべきことをやってくれている。企業も、内定を取り消したとはいえ私にとても親切にしてくれて、できるかぎりの手を差しのべてくれた。私はとてもうれしく思っているし、この状況は政府や企業のせいではない。彼らは多くのプレッシャーの中でなんとか打開策を見つけようとしてくれている。」同時に、Wさんは政府に対し、主に中小企業を対象とした補助金の支給を検討してもらいたいと考えている。加えて、労働者の目線から、一時的なものでもいいから内定を取り消された人に職を用意してほしいと切に願っている。

 世界中で今、就職活動をしているほとんどの学生がこういった問題に直面しているのではないだろうか。これはその人だけの問題ではないはずだ。あなたは一人ではないということを決して忘れてはならない。同じ困難に立ち向かう仲間の存在は、大きな励みとなるはずだ。また、この「特別な」時期に就職活動をする際には、志望する業界や役職のことを今まで以上に知る必要があるだろう。そして、将来満足のいく職を得るためには、自分自身の能力やスキルを向上させることが有効だ。私たちはこの先、未だかつて誰も経験したことのない社会を生きていくことになる。先の見えない状況は続くが、これを機にぜひ自己分析や将来について考えてみてはいかがだろうか。最後にもう一つ、どんなときもStay Safeをお忘れなく。

原文執筆: Anita Zitong Zhao

日本語翻訳:佐藤綾香、曽根瞳子

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